この週末は、とあるテーマパークへ、演奏のお仕事で遠征しました。
イースターのイベントパレード「フェアリーテール楽団」です♪
お天気にも恵まれて、素晴らしい1日になりました!
そもそも私がこのようなイベントでお仕事させていただくようになったのは、大阪の、今や老舗、レジェンドとも言えるような事務所「ちんどん通信社」さん(屋号を「東西屋」さんと言います)とのお付き合いがきっかけでした。
昨年にはNHKで、東西屋さんの社長である林幸治郎さんの密着ドキュメンタリーも放送されました。その半生がドラマ化されたり、朝ドラでの街宣シーンに登場したり、またCMの映像や画像で頻繁にビジュアルが使われたり、でご活躍の
なので、ご存知の方もいらっしゃると思います。
林社長については、知る人ぞ知る方なので説明などはさておきまして…もともとディキシーランドジャズなどお好きで、お仕事でももちろん演奏されます。(同業!トランペットを吹かれます。「ちんどんデキシー」と銘打ってCDも出されています。)
私が若くて駆け出しの頃は、東西屋さん営業の現場に見学に行かせてもらったこともあります。
ディキシーって、お祭り気分を盛り上げる陽気で華やかな、ちんどん屋さんの原点のような音楽なんじゃないか、なんて思います。
実際ディキシーのレパートリーは、CMソングやキャンペーンソングに使われたり、アニメやドラマで盛り上げる場面で流れたりしています。
私は東西屋さんでは、ディキシー中心に洋モノで演奏させていただいてます。
本格的な和装でのちんどん実演は、とても私のような素人ではやってみることも出来ない高度な技。もちろん曲目も異なりますが、衣装着付けにメイクアップ、所作や口上など一朝一夕では身に付けることは不可能です。
よその事務所含めて、簡単な和装やピエロバンドなどの衣装も、着たことがあります。ミュージシャンの中には「私は芸人じゃないから、変わった格好とかはやりません!」とこだわる方もいらっしゃいますが、私はそのあたり全く抵抗無し。
音楽家だ芸術家だなどと偉そぶってみても、究極のところは、らっぱという芸をお見せしお聴かせしているだけですよ~。
というか、むしろその場に合った扮装をするのはステージマナーで、当たり前だと考えています。クラシック音楽なら燕尾服やドレスを着るのと、一緒ですから。
しかしある時ハッとさせられたことが…ちんどんメンバーの方に「いつもいろいろ衣装を着ていただいて、ミュージシャンの松原さんにはご苦労おかけしますね」と言われて、「いえいえ、そこの場にあった扮装をするのは当たり前ですから」。
しかしその方曰く「でもね~…衣装を着ている“だけ”では、お客さんから見ていて“あの人、違うよね~”ってバレちゃいます」…!
一般のお客様はトータルで我々のプレゼンテーションを見ているわけで、そこに格好だけ辻褄合わせていても、違和感を感じさせるんですよ、ということです。
衣装を着せてもらって、なんとなく馴染んでいる気でいた私は甘かった、と独り内側で反省。
「何を着るか」「上手く演奏できるか」だけではなく、「どう振る舞うか」も、受け手側と繋がる重要な接点だと、痛感させられました。
東西屋さんでは、そこのコンセプトを全員徹底して、プライドを持って実践されているのです。リスペクトです!
及ばずながら以後、東西屋さんのお仕事では見よう見まねで学ぼうと必死です。奥が深い。
…でもでも本当のところ、実は私は単純に、いろんな格好をして人前でらっぱを吹くのが嬉しくて、楽しんでいたりもするんです♪
これぞホントの「コスチュームプレイ」コスプレです。
林社長直々に「林幸治郎のチンドン芸能マニアックサロン」という、公開実演講座を不定期に(しかし頻繁に)開催されています。
私も一度参加しましたが、お話や音楽など面白くて内容が濃くて、芸術・音楽・芸能に携わる方にはおススメです。
そして会場の東西屋さんの事務所は、大阪は谷町空堀(からほり)通り商店街のすぐそば、築100年は軽く超えているような長屋造りの町家で、こちらも必見です。
↓次回はすぐ、4/3火曜夜で、今週末富山で行われる歴史あるちんどんコンクールでのパフォーマンスの公開練習、だそうで期待が高まります。私も久しぶりにうかがう予定です。
東西屋さんのホームページで、実演の現場スケジュールなど情報を見ることができますので、興味をお持ちの方は是非…これぞ「街宣のプロ」!!!
余談中の余談ですが…(不適切な発言をお許しください)。
私が小さい頃は、「あ~ほ~、ば~か~、ちんどんや~!おまえのかあちゃん、で~べ~そ~!」(関西弁での感じを出すとこういう表記になります)なんていう、罵り言葉がありました…今考えたらヒドいなぁ…
さらに前の世代だったら、大人が子供に「いい子にしてな、サーカスに売り飛ばすで!」とか…