素晴らしいミュージシャンがひとり、天に召されました。まだその訃報が信じられないです。
遠くに居るから、年に二、三回しか会わないから。でもそれは関係ないですね。
実は実際にお会いするずいぶん前から、知っていました。その方のバンド名が、私が昔やっていたバンド名に似ていて、ネット検索で出てくるので。
新宿のトラッドジャズフェスで、なんとかお聴きしたいと画策するも、超人気で観客満員、なかなか会場に入れない。
やっと2年前に、お膝元札幌のライブハウスで、かぶりつきでじっくりと拝聴拝見。
ハートを射抜かれるプレイで、衝撃でした。バンドのサウンドが突き抜けていて。
おひとりおひとりが凄いんですが、なんと言ってもリズムセクション!リーダーであるその方のドラムが、キレッキレで爽快。もう楽しくて楽しくて♪
おまけにセッションもさせていただいて、感激でした。
のちに新宿の秋フェス春フェスで、何度もお会いしました。必ずどこかでその演奏を、ちょっとでもお聴きするようにしてました。この方のドラムで、アフターセッションをご一緒できるのが本当に嬉しくて!
そして、凄いスタープレイヤーなんですが、気さくで話題豊富。飲み会でいっぱいお話ししてくださった思い出が。本当に楽しい方で。
劇団四季のミュージカルでパーカッション生演奏されてた裏話(私の妹婿も違う劇場で同じ仕事をしていたりして)をお聞きし、スペインサッカーFCバルセロナのスタジアムツアーの写真見せていただき(私も新婚旅行で行った)、「なんで飲みの後に、ついついコンビニで何か食べるもの買って宿帰っちゃうんだろうね~、酔っ払って寝ちゃって結局食べないのにね~」などなんてことない話で盛り上がったり。
「あなたのバンドと間違えられて、なんだ~違うじゃん!ってお客さんに帰られちゃったことあるんだよ~」って笑い話も。
年齢関係なくたくさんのミュージシャンと、好奇心いっぱい情熱いっぱいでお話しされていて。北海道のミュージシャンには、この方のお弟子さんや後輩がいっぱいで、皆さん本当に仲が良くて、羨ましい微笑ましい思いで、ご一緒してました。
「また来年も!」って未明の新宿の街角で、みんなで言い合った、それがお会いした最後になるなんて。
あの楽しくて体が心が動き出すようなドラムが、もう聴けない。この地上から永遠に失われてしまったなんて。
今までも何度も、先生や先輩ミュージシャンとのお別れは、ありました。
その度にたまらない気持ちになります。録音や映像や写真はあっても、その時のその音、そこでのリアルな体験は、もう絶対に戻ってこないんですよね…
そして誰も代わりはできない。
音楽って、本当に素晴らしくて、儚い。だから一生懸命になって、夢中で追いかけるのかもしれません。
「ジョニー黒田とディキシープリンス」のジョニーさん、今はまだ急過ぎて、私はとても“RIP”なんて言えません。憧れのアイドルであるプレイヤーに気軽に、ありがとうございました、と言うことも出来ません。
でも、ご一緒できたこと、ずっと忘れずにいようと思っています。
それがきっと、私のこれからの音楽の中に何かを残して下さる、そんな気がしています。
そして、とても及ばないまでも、私も何かを残せるミュージシャンになりたい、そんなことを考えさせられています。