誰か好きなトランペットプレイヤーについて書くとなったら、ルイ・アームストロングとマイルス・デイビス、モーリス・アンドレ、ウイントン・マルサリスあたりを挙げます。我ながらベタ過ぎですが。。。
以前はもともとクラシック音楽を勉強していたこともあり、ジャズのみならずクラシック畑のトランペットのソリストもよく聴いています。回数は少なくなったものの、コンサートに行くことも。
つい先月ぐらいだったか、テレビ番組「クラシック音楽館」で、セルゲイ・ナカリャコフのリサイタルをやっていたので、観てみました。
ナカリャコフと言えばその昔、“ロシアの若き天才トランペッター(しかもイケメン)”と謳われ、ピアノ界で言えばスタニスラフ・ブーニンみたいにもてはやされていた、という印象でしたね~。今で言うならまさに“おそロシア”といったところですね。(ただしナカリャコフがデビューした15歳の頃といえば、ソビエト連邦からロシアに移行したかしないかぐらいの微妙な時期だったと思います。)
当時は吹奏楽専門誌「バンドジャーナル」に特集が組まれたり、朝ドラのテーマが彼の演奏のトランペット曲だったり、彼自身日本の映画に出演したり、ちょっとしたフィーバーでした。私も確かCD持ってるはず。
今回久々にナカリャコフの映像を見て…楽器の構え方や演奏位置が、以前のお若い頃とは随分変わったのが驚きでした。
昔は、ピアノの前あたりで、トランペットのベルをほとんど下向きにして、クラリネットか何かのように吹いていたはず。で、私はその感じがあまりにらっぱらしくなくて、あんまり好きではなかったです。ちょっとでも前に音を響かせたい、というのとは真逆の姿勢がちょっと…。
でも今は、ピアノ奏者の後ろあたりに立って、まるでピアノの楽譜を覗き見してるみたい(暗譜で演奏してるのでそんなわけないんだけれど)な位置で、でもベルの向きはやや下向きなだけで普通の構え、客席に向かって垂直ではなく斜めの角度で向けている感じでした。
お客様に対してはまあそれでも良いんだけど、ピアノの人は聴こえ方としてうるさい感じはしないのだろうか、と気になりますね。
トランペットとフリューゲルホルンを使い分けて、ロシアやルーマニアの民謡や舞曲からの編曲ものや、プーランク作品(フリューゲルはこの曲で使用)などを演奏していました。
テクニックは相変わらず素晴らしい!超絶技巧が完璧です。サウンドは、前はもっとコンパクトだった印象ですが、ダイナミクスの幅もゆとりがあって、響きも豊か。
朝顔(ベル)の開きが大きく、径も大きいように見えたので、あとで調べてみるとコルトワ製でやはり大きいベルのようですね。
もちろん生演奏で聞くに越したことはないですが、映像で見てみるのもいろんなことが見えてきて、面白いです。
※このナカリャコフのリサイタルの放映の情報は、フェイスブックのグループ「トランペット総合研究所」 で知りました。
※写真は、記事の内容とは関係ありません。
このネタ自体、サッカーロシアW杯に因んでというわけではないですが…