rappappanekoのらっぱ日記

あおいのトランペットよもやま話

Remember Me 地球の裏側で

先日「リメンバー・ミー」を観てきました。ディズニー×ピクサーのアニメーション映画の最新作です。
姪っ子甥っ子の付き添いという大義名分など無くても、きっと独りでも観に行っていたと思います。何しろ舞台はメキシコです。

※以下、出来るだけ映画のストーリー本筋のネタバレはしないように書いていますが、まだこれからこの映画を見る予定の方で、新鮮な気持ちで楽しみたい場合は、鑑賞後に記事を読んで下さいね。



のっけから、マリアッチのサウンドやリズムも本格的なもので、思わず足先でリズムを取ってしまい…楽しめました!出だしのディズニーのマークと共に流れるテーマ曲「星に願いを」が、マリアッチスタイルのアレンジ。
あとでパンフレットで知ったのですが、メキシコのホンモノのマリアッチを使ってレコーディングしてるんですね。やっぱりね〜!

豆知識ですが、「マリアッチ」というのは音楽のジャンルではなく、メキシコで特定の民族音楽を演奏する「楽団」「バンド」「プレイヤー」を指します。

私がこのようにちょっとメキシコやその音楽に思い入れがあるのは、実は、私も時々マリアッチ音楽を演奏する機会をいただいていて、メキシコへ演奏旅行に4回行ったことがあるのです。
写真など以下の記事に載せてますので、ご参考までに…コスプレです。ドンタコスです。

rappappaneko.hatenablog.com

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基本的なマリアッチ編成は、ギターにギタロン(大きな丸胴の4弦のギター、メキシコの民族楽器で低音でベースラインを担当する)、バイオリンパートとトランペットパート、それにボーカル。
その中でトランペットの役割は、ファンファーレ的でもあり、リズムを刻む役割もあり。
それでいてメロディラインを演る時は、からっとした明るさだったり、陰を帯びた哀愁や燃えるような情熱を湛えていて、独特のムードを持っています。

日本ではこの手の音楽は、往年の「トリオ・ロス・パンチョス」に代表されるようなラテンコーラスのイメージも強いかと思います。
映画の中にも出てきましたが、国民的なスター歌手になると、何十人とか百人規模のマリアッチを従えてショーで歌ったりするんで、壮観です!
アルマンド・マンサネーロさんというシンガーソングライターの方とご一緒する機会も何度かいただいたのですが、超有名で超セレブというのはこういうことか、と感じさせられました。


この映画を観て音楽に浸って、メキシコでの体験が強烈に蘇ってきました。
最初に行った時はバンドや曲自体に慣れてないもんだからかなり緊張してたけれど、お客様の気さくなオープンな雰囲気に、思ったより楽しく音楽に集中出来た、気がする。。。
マリアッチフェスティバルでのパレード演奏、ワークショップに参加したり、野外のステージで演奏して花火が上がったり…
重くて窮屈な衣裳だけどそのまま移動して、あちこちで食事したり買い物したり、目立ちまくってたっけ。

マリアッチ音楽の、特に三拍子の曲は、何故なのかウインナワルツのような、不均等な拍節の取り方をするのです。これが難しい…「血」で演る音楽、って感じです。
だいたい、新作やアレンジものはともかく、昔ながらの誰もが知っているいわゆるトラディショナルなナンバーは、楽譜を見て演奏するのではなく、マリアッチが昔から代々口伝えで受け継いだ音符をただただ音に出す、んですよね。きっと古典落語をお師匠さんが弟子に稽古つけるのと同じで…

イントロが始まって皆の好きな歌だとわかるとワアーと歓声が上がって、観客が声を合わせて一緒に歌い、リズムに合わせて自由に踊る…メキシコで感じた、理屈抜きで感じるままに音楽を楽しむムードは、あまり日本には無いものかもしれません。
あの感じ、忘れないでおこうと思います。何か大切なもの、音楽の本質に迫るものな気がします。

 

 

この映画に関して、音楽の話とは違いますが、フリーダ・カーロのキャラクターが登場したのが嬉しかったです。私が心を惹かれてやまない実在のメキシコの芸術家が出てきて、ちょっと得した気分です。
そして、色とりどりの切り絵の飾りや、ユーモラスな格好の骸骨の人形、カラフルな動物の置物、綺麗な民族衣装…メキシコでこの目で見た風景が、そのままおもちゃ箱のようにスクリーンに詰め込まれていました。

メキシコの風土を彩る豊かな色彩が煌めいて、ディズニー王道のミュージカルチューンも素晴らしく、「死者の日」という背景も、お盆という文化を持つ日本人には親しみ易く…大人も子供も楽しめる作品なので、おススメです。

テーマソング、家に帰ってから何度甥っ子と一緒に歌って、らっぱでも吹いてやったことか…ストーリーのカギにもなっているメロディは、さすがアナ雪「ありの〜ままの〜♪」のソングメーカーの作品なだけあって、良い曲です♪エンドロールで流れる東京スカパラダイスオーケストラfeat.シシド・カフカのバージョンも、カッコいいです!

他には、主人公の少年がオーデションシーンで歌う「Un Poco Loco(ちょっとクレイジー)」(吹き替えの子役の素晴らしい歌唱力!キュートです)、主人公母の「La Llorona(ラ・ジョローナ=泣き女)」(これはもともとあるスタンダードなメキシカンナンバーだったと思います)も良かった!


メキシコまた行きたくなっちゃいました…あと1回くらいは、行けるかなぁ???
こんな気持ちはディズニーマジックのせい?
↓ディズニーの音楽映画「ファンタジア」のミッキーです。あれも名作!

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最新のドンタコスな私。メキシコの衣装屋さんであつらえてもらった、セミオーダー品です♪