rappappanekoのらっぱ日記

あおいのトランペットよもやま話

ミニコラム 憧れのトロンボーン

トロンボーンっていうのは、昔から私の好きな楽器です。

音が良い。説得力のある響き、スライドゆえの歌い方の妙。

トロンボーンのハイノートって、官能的でなんとも言えないアピールがある、と思うのです。(トランペットのハイノートは、カーンと硬質の緊張感がある…トロンボーンのそれとは質的に全く違うと思うんですよね~)

 


もうすっかり巷では定着した感のある、プラ管のトロンボーン。今はもう、トランペットやユーフォニアムにチューバまでありますね!(プラ管トランペットとチューバは、楽器屋さんで試奏したことあります。)

 


私事ですが、私の相方氏(楽器経験ほぼ限りなくゼロ)が、一時期非常にこのプラ管トロンボーンに興味を示したため、購入したのですが、本人が10日ほど練習した後、放置されていたのです…

さすがに状態が心配になってきたので、取り出して吹いてみて、ついでにメンテナンスもしました。

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長~いクリーニングロッド(掃除棒)とガーゼを買ってきて、管の中を拭いただけですけどね。

チューニングスライドのグリスは、楽器に付属されてましたが、よく見るとこれ、“リコーダークリーム”と書いてある。リコーダーのジョイントに使うやつでいけるんですね。

プラ製マウスピースも水洗い。

一応、トロンボーン用のスライドクリームと、スライドに水をスプレーする用の容器も購入済み。

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ちなみに、私がトロンボーンで吹いてみた曲は、季節柄「ポパイ・ザ・セーラーマン」と「サンバ・デジャネイロ」の二曲。曲名ではピンとこないかもしれませんが、どちらも夏の甲子園では、ド定番の応援歌です♪

 


スライドは難しい。やっと1~4ポジションがわかってきたというところ。

いつか、ライブで1曲くらい吹けるようになりたい!

試奏レポート 余談ですが…

私の周りでは滅多にお目にかからない楽器と遭遇した際の、簡単な試奏レポをば。


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キャノンボール

これは、過日演奏させてもらったお店の関係者(元生徒さん)が最近購入されたもの。

(元々使ってられたのは、古いヤマハのスチューデントモデルで、チューニングスライドが固着していたのでチューニング不可ご本人がわりと無頓着だったのですが、ついに観念?してベターなものを買われたようで)中古と言うには状態の凄く良い美品!

本番前のサウンドチェック時に、試し吹きさせてもらいました。

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ちょっとダークなラッカー仕上げ?

マウスパイプチューニング管からバルブケーシングにつながる手前に、何やらカッコ良さげなウエイトが付いています。ピストンボタンとお揃いです。

ベルの彫刻もカッコいい。

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持った感じちょっとヘビーでゴツい作りながら、吹いてみるとそうでもない、軽めの吹奏感と思いました。音域的にも上から下まで偏りなく鳴るし。ダイナミクスの幅がどこまで拡がるかが、もうちょっと時間かけないとわからない。。。


持ち主氏は近くジャズの本場ニューオーリンズを訪問されるそうなので、向こうで何かセッションで披露するためにも、この楽器をきっかけに頑張って練習もして欲しいな~


横に写り込んでいるのは、私のバックのコルネットです。

ミニコラム 夏休みの思い出

夏休みと言えば…中学高校と部活ブラバン少女だった私。夏の風物詩、吹奏楽コンクールが終わるまでは、毎日学校でらっぱ吹いてました。その間に両親が泊まりでどこかへ出かける場合は、その間近くの祖母の家に泊めてもらってまで、やはり部活に勤しんでおりました。


熱心に部活はしていましたが、中高ともそんなに成績を上げられる学校ではなかったため、京都府大会止まり。8月のアタマには部活から解放されておりました。

(高校では、コンクール時期と同時進行で野球の応援、そしてコンクール終了後は「地蔵盆マワリ」というか巡回演奏シリーズがあったのですが、これはまた別のお話。)

(ちなみに妹も2人とも吹奏楽部で同じような夏休みスケジュールでしたね。ただし2人はサックスでした。…考えたら、母は私たちの本番は全部聴きに来てくれていた!3人とも毎年毎年、大変やったやろうな〜。ピアノの発表会も3人ともあったし。)


部活時期終わり次第、家族旅行へ!

幼い時から毎年夏には、車に一家5人で乗り込んで、日本海側に出かけておりました。父方の親戚が、兵庫の豊岡や鳥取にいるもので、そこを訪ねて行って、海水浴をするのが夏の家族旅行の定番でした。


今みたいに、府北部への高速道路があるでも無し、コンビニだって今のようにはたくさん無い頃のこと。

家から食パンやツナ缶、マヨネーズなんかを持って暗いうちから家を出発して、車の後尾座席で子供達はタオルやブランケットで雑魚寝、途中で車を停めて即席ツナサンドで朝ご飯食べて…とちょっとした冒険キャンプ気分で、本当に楽しかった!


走る車の中で起きている時は、しりとりをしたり、歌を唄ったり、クイズを出し合ったりしてました。

カーナビやCDプレイヤーなんてものも当然付いて無かったんですが、、、鮮明に覚えているのがラジオ放送から流れるファンファーレ!

そう、今でも広く知られているジョン・ウイリアムス作曲の「オリンピックファンファーレとテーマ」、ロサンゼルスオリンピックの開会式で使われた演奏だったんですね。


時期的におそらく私が聞いたのは、開会式そのものでは無くて、ラジオ番組に取り上げられていたんだと思います。

ドラマチックな展開、いくつかのモティーフが印象を残しつつ絡み合って、めちゃくちゃカッコよくて!名曲中の名曲です♪

ファンファーレなので、トランペットはもちろん、ホルンやトロンボーンなど金管楽器が大活躍!

しかし、音域が高い上に、ダブルタンギングやトリプルタンギングを駆使するかなりの難曲…流石にそんじょそこらのブラバンでは演奏できるはずもなく、私も後ほど成人後に無謀にも吹いてみようとしましたが、歯が立たず。

そういえばこんなに有名ですが、高校野球の応援に使われることも無いですね。ムズイ!


ジョン・ウイリアムスと言えば、映画音楽の主なものだけでも、スターウォーズ、スーパーマンE.T.ホーム・アローンジュラシック・パークハリー・ポッター、、、と枚挙にいとまがない。

そしてどれも、聴くのはカッコいい、吹くのは難しい!




今でも夏になると、時々ふっとあの出だしのフレーズを思い出します。そして、父が運転する車で皆んなが楽しかった、山陰への旅路を。私たち家族にとっての、最高の時間でした。

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気まぐれに吹き比べ 予告・予備

今週来週とリハーサルや移動の都合で、京都のプライベートスタジオに、種類やメーカーが異なる楽器が揃う状況です。

この機会に、吹き比べてみることにしました。先ずは以下の4本で。

(本当は、メインで使っているコルネットもここに加えたいですが出来れば来週に!)

諸事情により、前の1週間のプレイ時間にムラがありました。

なので基礎を確認する意味もあって、今日はロングトーンで、オープン(バルブを使わない)の中低音を中心に、楽器の鳴りをじっくり聴いてみました。


◯シルキー トランペット B5(あらゆる場面でメインユース、私にとっての基本の楽器)

かなり前方で鳴る感触。どちらかというと明るく柔らかい。息がよく通る。


◯エックスオー フリューゲルホーン (ビッグバンドでの本番で使用、普段は吹き込んでいなくて本番の23週間前から慣らしていくサイクル)

よく鳴る。ペダルトーンなどは、フレンチホルンやトロンボーンのような音色で、広がりを感じる。まろやかで丸い。


ヤマハ トランペット カスタム(スタジオ置き楽器、主にレッスンで使用)

慣れた鳴り。ベルのあたりでビンビン響く。ちょっと硬いというか輪郭がハッキリして感じる。シルキーより抵抗ある吹奏感。


ヤマハ コルネット(スタジオ置き楽器、廉価モデルなので遊びや予備としてのみ吹く)

同じヤマハということで、ヤマハトランペットと響きの性質が酷似。ただし鳴りはやはり控えめで物足りない。音程も不安定さアリ。



時間の関係もあって、本格的比較やスペック詳細は、to be continued...


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左上:ヤマハトランペット*

右上:ヤマハコルネット

左下:エックスオーフリューゲル

右下:シルキートランペット*


*マーク付きは、これまで本ブログで「楽器紹介」としてアップしたもの。


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シルキーのそばにある丸いピンクの物体は、ベルに嵌めて保護材として優秀なアイテム。母手製(いわゆるママメイド!)で、キルティング生地でさらにクッション綿も入り、周りはゴムが入っていてジャストフィット。おかーさん、おおきに!大事に使うてるで。


左側で見切れている黒いのはトリプルケース、デカいっ!これをショルダーで運んでいると、どこの運動部の人ですか?って感じのビジュアルです。実際昨日、リハーサル帰りにバスに乗っていたら、後ろのご婦人方が「いや~なんかものすご大っきいの持ったはる」「ホンマ、何やろ」とヒソヒソ。邪魔なってエラいすんまへんどしたなぁ~


ちなみにスタジオは、ヤマハの防音室が手がけていた「サイレントハウス」六畳。“手がけていた”と過去形なのは、ヤマハはこの別棟タイプの防音室を今はもう作っていないからです。今年に入ってからくらいに、メンテナンスについて、ヤマハ店頭の防音室を担当の方に尋ねて、製造中止を知りました。ちょっとショック。アフターケアの対応は、丁寧にしていただけましたが。

ミニコラム マルディ・グラ・ビーズ の補足情報兼告知

そういえば今年のサッチモの誕生日84日には、ちょうどライブをしてました♪

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私の企画「京都七条トラッドジャズ」の情報はFacebookまで(Facebookご利用でない方もご覧いただけます)


https://m.facebook.com/Kyoto7JouTradJazz/?ref=bookmarks


で随時更新しています。ライブの様子もレポートしています!出演ミュージシャンの関連情報なども拡散しています。


京都で気軽に、生演奏でオールドファッションなジャズを楽しんでいただくイベントをしています。演る人・聴く人・興味ある人が、ここで出会ってさらにここから活動が広がっていくそんな“ハブ”のような存在になれたら良いなぁ~なんて思って続けています。

お気軽にお問い合わせ、ご来場下さいませ♪

今年はあと、10/6 12/1 にライブやり〼。

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ミニコラム マルディ・グラ・ビーズ

前ミニコラム 「謎のらっぱ」の実質続編。



ジャズ生誕の地ニューオーリンズのお祭りについて。

そういえば8月のニューオーリンズといえば、サッチモ・サマー・フェスですね。

空港の名前にもなっているジャズトランペッターにしてエンターテイナーの、サッチモルイ・アームストロングの誕生日8/4あたりに開催されるそうです。

本当に8/4生まれかどうかは諸説ありです。何しろ1901年当時のことですから


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私はニューオーリンズには一度、「フレンチ・クォーター・フェスティバル」という音楽フェスにエントリーの機会をいただいて、行きました。

「マルディ・グラ」というお祭りは2月か3月(毎年の暦によって日付が変わる)なので、4月のこのフェスティバルでは見られないんです。

マルディ・グラではこのビーズをそこら中に撒くそうで、私が見た時には、掃除を免れたビーズが、木や道路にちょっとだけ残ってました。

マルディグラでもフェスでもいいので、またニューオーリンズ行きたい~♪


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今年の2月に大阪で催された、マルディ・グラに引っかけたイベントでの様子。わかりにくいですが、ビーズを首にかけて演奏してます。


カラフルなビーズを山車から投げる、というのは在阪の某テーマパークが、マルディ・グラとは関係なく、なぜかハロウィンでやってましたね。

そしてビールの祭オクトーバーフェストは、初夏にやるのが日本式?!

何かにつけて日本は、他所のお祭りを巧みに?自分流に取り入れる気がしますね。クリスマス然り、バレンタイン然り、

最近では、セントパトリックデーやシンコ・デ・マヨにはちょっと驚きました!

プレイヤー目線では、これでらっぱ業界が潤ってくれれば嬉しいのですが。

ミニコラム 謎のらっぱ

大阪でもトランペットレッスンをしているのですが、そのお部屋の飾り。

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もともとトラッドジャズ好きのオーナーさんが始めたお店なので、なんとなくインテリアがニューオーリンズしてます。

で、これはそのニューオーリンズのお祭り「マルディ・グラ」で飾られるマルディグラビーズといわれるものなんですが楽器がなんか変。

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これは、トランペットなのかトロンボーンなのか???

敢えて言うなら、バルブ・トロンボーン


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このサロンをお借りして、松原あおい トランペット教室 難波教室を開催しております。こちら会員制ミュージックサロン MUSICRAFT」の情報は

http://www.mahoroba.com/music/

この夏は、昔の生徒さんがスケジュールをチェックして、飛び入り参加してくれるなんていう嬉しい話もあり、15年近くこちらでレッスンさせていただいていることに、深く感謝です♪

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ジェンダーとトランペット

偉そーなタイトルで大仰なことを言うつもりではないですが、ちょっと怒りが湧いてきたので。

ニュースで某医大の、入試結果の不正操作について知りました。女性の受験者を意図的に受かりにくくするようにしていた、という内容です。


この手の話題は、タブーというか、あまり皆触れたがらないようにも感じます。私もいつか書いてやろうと思っていたし、たぶんこれからも何度でも書くと思いますが、敢えて今、良い機会なので、私の主張!




女性が医者になったら、「使えない」っていう前提なのでしょうか?だったら、最初から女性を募集しなければ良い。それなら、そういう方針の学校ってことで、それが良いか悪いかは別として、受験する側にも選択する自由がありますから。


出産は女性がするにしても、育児や家庭は男女両方のモノのはず。自分の子供が生まれた男性だって「使えなくなる」はずでしょう?

なんだか「働き方改革」なんて、ただの旗振りにしか見えなくなってきて、ガッカリですね。


「使えない」=「生産性が無い」、なんか最近話題になっている、性的マイノリティー差別発言にも通じる、多様性を認めないしょーもない考え方にも思えますが、それはさておき。


ある事柄に対して、実行できる能力に対して、客観的に判定を下すことはある程度の段階では必要でしょう。今回わかったことは、その最初の客観的判定であるはずの入学試験で、脳味噌にカビが生えたみたいなおっさん達が、しょーもない古い価値観でさえ無い思い込みで、勝手に手心加えていたんだから、タチが悪い。




翻って我が身に尋ねてみれば、音大の受験は受かったものの音大に入れば同じトランペットの先輩には「どうせ女は結婚したら永久就職で、真剣に音楽で食っていくつもりでやってへんやろ」などと暴言を吐かれ、ファンファーレを吹く仕事に行けば始まる直前に主催者に割って入られ「本当にあなた達にちゃんと出来るんですか?!」と危うく止められそうになり(信じられないけど実話。女のらっぱ吹きには出来ないだろうと見た目で判断されたらしい)、パーティー演奏に招かれた先では「他にいろいろ楽器あるだろうに、何を好き好んで女の子がトランペットなんて」と軽口を叩かれ、聴いているお客さんに「ほれ、〇〇に力入れてしっかり吹かんかい」などという今なら完全なセクハラで弄られ(伏せ字は自主規制、口に出すのも憚られる)、リハーサルでは「女性は月に一回不安定で、テンポがちゃんとキープできひんやろ」などとイビられ


最近参加してるビッグバンド(メンバー大半が二十代の若者)で話したら、信じてもらえない。21世紀なるかならんかぐらいの時代のお話です。

今の私なら百万発でも巧妙に撃ち返してるでしょうけど、当時は顔だけ笑ってやり過ごすことがほとんど。悪い意味で慣れっこでしたね。




女と男は、違う。生物学的な役割、筋力や体の構造、思考の傾向、が異なる。これは当たり前のことで、変えようがない。

だからオリンピックを始めあらゆるスポーツ競技では、男子女子を区別するんでしょう。男女が全く同じなら、分ける必要はないですから。

でも、個人の能力や適応性、個性に基づく人間性、そこから生まれる社会的な活動や人間関係に及ぼす影響なんて千差万別で、優劣などつけようが無い。女性であるか男性であるかは関係無い。だからこそ尊い


何が言いたいかというと、「自分がどうなりたいかは自分で決める」「自分の限界は自分で決める」これが大事、ということ。他人が決めることじゃない!

“自分の欲求”と“自分の能力”にじっくり向き合った結果、出来ることを粘り強く続けるかもしれないし、方向転換や違う選択肢を選ぶかもしれない。それもまた、人生の醍醐味として尊いものだと思うのです。




と、随分前に「女性であることを楽しみつつ、らっぱと音楽に真摯に向き合う」というところで落ち着いたワタシ。昔は内心イジけたりした時期もあるけれど、そういう意味では今は幸せですね。

でも、昔のイヤ~な体験もちょっと思い出しちゃって、未だにそんなヤツおるんや!と不愉快になったので、思わず書き書き。

次の世代には、こんな思いして欲しくないな



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筆者近影

青空市場

最近、音楽仲間とメッセージをやりとりしている中で「らっぱで周りの人を元気付けてあげて下さい」と。お互いの安否を確認する中での言葉でした。


大阪北部地震に続き、西日本での豪雨、異例な台風による被害と、この夏はこれまでに自然災害が続いています。

被害に遭われた方に、心よりお見舞い申し上げます。

私の住んでいる地域に直接の被害は無かったのですが、友人知人親戚には何かしら害を被っている方もあります。

周辺の町に出かけていけば、未だ屋根に掛かったブルーシートが目立ちます。



関西出身在住の私に思い起こされるのは、阪神淡路大震災です。ちょうど、駆け出しのらっぱ吹きで、音楽を仕事として意識しだした頃でした。

震災後の混乱(そしてバブル崩壊後の影響もあったでしょう)で、それまで成立していた音楽産業が途絶えてしまったのも見聞きしました。

逆に“被災地特需”みたいな演奏も、実はありました。神戸市長田区の野外の仮設市場のオープンや、復興したスーパーマーケットでのイベント、そんなところでお仕事をいただいたことが何度かあります。

文字通り瓦礫の残る街の風景、そこに再び新しく建つ、人々の生活の場そういう光景を思い出します。


それ以降も思い出せる範囲ですが、新潟地震や東日本震災、熊本地震、などイベントでチャリティー演奏をしたり、何かと音楽を通して復興・支援と関わりを持ってきた部分もあります。



こんな時に、音楽って何が出来るんだろうと、つくづく思います。衣食住に直接関係ない産業は、どうしてもというか当然、後回しになります。


あくまで私的な持論ですが必要以上の娯楽の自粛は、結果的にためにならない気がします。

被災地周辺の観光やイベント、そして音楽含め芸術活動も、中止する対応の一辺倒では、より良い社会活動に繋がらない。余計な風評被害も生む。経済的な活動が滞ると、回り回って資金援助にも影響する。そんな風にも思います。

もちろん、尊い人命が失われ生活もままならない被災地に乗り込んで、娯楽の押し付けをするようではいけないです。人が集まることに対して、安全やインフラの確保も、絶対条件でしょう。

けれど、イベントで応援の気持ちを表明する、直接的に支援の呼びかけや募金活動をする、それも一つの在り方なのではと思います。



実際に今の広島での花火大会を中止したり、来たる東京オリンピックを復興五輪と位置づけたり、そういう個別の案件に答えを出すのは、私の中では手に余りますが実際のハードの問題、金銭面、人の感情の動向、全ての要素が複雑に絡み合っています。

被災地に千羽鶴を送るのは是か非か、というような論争もあるみたいです。


うまく言えませんが音楽で生活をしている中で、自分に出来ることを、したいと思います。

まずはちゃんと仕事して、幾らかでも募金かな。


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写真は記事内容に直接関係ありません。

ミュート紹介 ハーマンミュート

今月はミュートについてもちょっと触れてみたので、これを機会に少しづつ書いてみようと思います。

 

先ずはジャズでよく使うハーマンミュート。

 

ハーマンミュートは、正確には登録商標というか、メーカー名がそのままミュートの種類を表しています。一般名詞としてはワウワウミュート(ステム有りの場合)、チーチーミュート(ステム無しの場合)とか言うこともあります。

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↑これはステムを外したところ

銀色のがアルミ製、銅色のがコパー製

 

そう、最大の特徴は、真ん中に「ステム」と呼ばれる着脱できるパーツがはまっていること。ステムの先を、手で塞いだり開けたりして独特の演奏効果を得られるのです。ちょっとコミカル?

ステムのオープン←→クローズの効果を知りたい方は、吉本新喜劇のテーマとして有名な Pee Wee Huntのバンドが演奏する Somebody Stole My Gal を是非聴いてください!

(私は昔々に、吉本興業主催の音楽イベントに出演する際、この曲を独学?でマスターしました。関西では、必ずウケる鉄板ネタです。トランペット吹かれる方は一発芸としてもどうぞ~)

ステムを外すと、確かにチーチーというような、そしてこもった感じの、哀愁漂う音になります。スタンダードなジャズでは、ほとんどステム無しで吹くのが通例っぽいです。

 

 

残念ながら、直近のビッグバンドの本番ではハーマンの出番は無かったのです。

(なんとハーマンどころかミュートは1種類も使わないことが、直前のリハーサルで判明!!!レアケース当日の荷物が少なくて思わずガッツポーズ!)

 

先日のトラッドジャズの本番では、持っている2種類を1つのステージで使い分けて、吹き心地や音色を実験してみました。

(ビッグバンドやクラシック系で楽譜上でミュートが指定されている場合と違って、自由裁量でミュートが使えるジャンルならではの実験!)

 

 

アルミ製ステム有り:明るい  open-closeの輪郭がはっきりしている

アルミ製ステム無し:チーチー・ジージーと鳴る金属音

コパー製ステム有り:マイルドなワウワウ 鳴りが均一

コパー製ステム無し:こもって柔らかい、遠くから響く音 パワーをかけるとジージー鳴り音程がうわずる

 

改めて並べて続けざまに、取っ替え引っ替えして吹いてみると、違いがよくわかります。

また、吹いてみてその場での感じと、録音して後でチェックした感じも、印象が微妙に異なります。

今まで、「アルミ=薄く柔らかい=軽い音色」「コパー=重い=重厚な鳴り」と思い込んできた面がありますが、今回は良い意味で裏切られたというか、特徴をよく知れたので良かったです。

ただし、、、

“あくまで個人の感想です”。私が奏法的にパワーが足りなくて、コパーミュートは鳴らしきっていない感は有ります。また、今回はバックのコルネットを使っていましたので、楽器との相性はもう少し実験の余地はあるでしょう。

 

ステム有りと無しでは、かなり吹奏感が違います。私自身は、ステム有りの方が音の抜けが良く音程も比較的安定しているので、吹き易いです。ステム無しにすると音程取りづらく、苦手意識があります。

 

 

ミュート類は、音質を変えて演奏効果を上げるモノですが、プレイの難易度をアップさせてしまうものでもあります。大きい原因は「音程の変化」と「抵抗感」です。

(ミュートを“弱音器”と直訳してしまうと、誤解を与えますね。楽器を替える以上に吹奏感に差異を生じる厄介者ですから

「抵抗感」に対処するには、プレイそのもののスタミナをアップする(アンブシュアの強度を上げる)しかないですが、「音程の変化」は、ミュート着脱の都度チューニングスライドをいじることである程度解決のしようがあります。

 

ハーマンを使う時は、チューニングスライドを、普段より1~1.5㎝ほど長く抜くと、音程が取り易いです。

 

私の周りでは、ベストブラス製のワウワウミュートもよく使用されているのを目撃します。プラクティス(練習用)ミュートもそうなんですが、ベストブラスの製品は、音程への影響が少なくて、チューニングスライドを操作しなくても使いやすいと評価する人が多いようです。

が、音色的に自分の目指すものであるか、ビッグバンドなどではセクションとしての音色の要求もあるでしょうし、そのあたり要検討でしょう。ハーマン製だけでもアルミかコパーかの選択肢があるわけですし。

私自身の体験として、実際ビッグバンドのトランペットセクションで、アルミハーマンを使うよう所望されたこともあります。

 

 

ミュートの使用と音程の変化、チューニングスライドの操作については、近々、自分を実験台にして数値化してみたいと企んでいます。

 

 

☆ワンポイントアドバイス

ミュートでプレイする時、きちんと嵌っていなくてミュートが落ちてしまう、ということは実はよくあります。

本来は楽器の合わせて、コルクで密着すると部分を、削ったり張り替えたり、するべきです。

それ以外にミュート装着前に、ベルの部分に息を吹きかけて湿らせると、落ちにくくなります。

師匠には“コルクを舐めて濡らしておく”という方法も聞いたことがありますが私はやったことはありません~。